代表的なよくある症状と
考えられる病気

1. 視力が下がった・見えにくい(大人の場合)

1. 視力が下がった・見えにくい(大人の場合)

ひとことで「見えにくい」といっても「遠くだけ、または近くだけが見えにくい」、「一部分だけが見えにくい」、「まぶしくて見えにくい」、「暗い所で見えにくい」、「急に見えにくくなった」など、さらに詳しい症状のちがいによって考えられる病気が変わってきます。

健常な成人の眼の矯正視力(レンズでしっかり合わせた視力)は1.0以上ですので、矯正視力がでていない場合は、白内障や緑内障、網膜・神経などの何らかの病気を疑い、より詳しい検査(眼底検査、OCT検査や視野検査など)が必要になります。

特に急に見えにくくなった場合には、緊急を要する病気の可能性もありますのでなるべく早く診察を受けていただくことが大切です。

考えられる病気
  • 屈折異常(近視・遠視・乱視・老視など)
  • 白内障
  • 緑内障
  • 網膜疾患(糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、眼底出血、網膜剥離など)
  • 視神経・脳疾患
主な検査内容
  • 視力検査
  • お使いの眼鏡の度数測定
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 眼圧測定
  • 眼底検査(OCT検査)

2. 見えにくい(お子様の場合)

2. 見えにくい(お子様の場合)

小さいお子様の場合、ご自身で「見えにくい」ことを訴えることは少なく、3歳児検診や学校検診での視力検査、保護者の方がお子様の物を見る様子の異常に気がついて受診されることがほとんどです。

物を見る機能は生まれてから8歳くらいまでかかり発達していきます。遠視や乱視が強い、不同視(左右で大きく度数が異なる)がある、斜視を伴う場合には将来矯正視力がでにくい弱視となってしまうことがあり、適切な眼鏡の使用、弱視訓練などの治療が必要になります。早期に発見し治療を行えば、視機能は発達しますので、お子様の検診はとても大切です。

矯正視力がでているお子様の場合は当院にて眼鏡処方と経過観察を行いますが、斜視や不同視、矯正視力が出ない場合にはより詳しい精査・弱視訓練のため連携施設へご紹介しています。

考えられる病気
  • 遠視・近視・乱視・弱視
  • 斜視・不同視
  • 心因性視力障害
主な検査内容
  • 視力検査
  • お使いの眼鏡の度数測定
  • 眼位検査
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 眼底検査

3. 目が疲れる

3. 目が疲れる

「目が疲れる」という方は、よくお話をお聞きすると「目が重い感じ」「目が痛い」「まぶしい」「ぼやける」「頭が痛い」「肩がこる」など、様々な症状をともなっています。最近はパソコン、スマホ、ゲームなどのデジタルツールの普及で、長時間近くを見ることが多くなり、年齢に関係なく目に負担がかかっています。明らかに目の使い過ぎが原因という場合が大多数ですが、中には眼鏡やコンタクトレンズの度数があっていなかったり、緑内障、白内障、斜視、ドライアイなどの病気による症候性眼精疲労のこともありますので症状が続く場合は検査をおすすめします。

考えられる病気
  • 遠視・老視
  • 眼鏡の低矯正・過矯正
  • 斜視、斜位
  • 調節緊張
  • 白内障
  • 緑内障
  • ドライアイ
主な検査内容
  • 視力検査
  • 眼圧測定
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 角結膜生体染色検査、涙液層破壊時間(BUT)検査
  • 眼底検査(OCT検査)

4. 目が赤い

目が赤い場合、大きく分けて「充血」と「出血」の状態があります。「充血」は結膜の血管が拡張した状態で、めやに、痛み、ゴロゴロ感、かゆみなどの他の自覚症状をともなっていることがほとんどです。

特に充血が強くてめやにも多い、症状が片眼から両眼になった、風邪っぽい、喉が痛い、周りに結膜炎の人がいたというような場合、人にうつる「はやりめ」のこともありますので注意が必要です。

「出血」は白目が部分的に均一にベタっと赤い感じで他の症状はあまりありません。見た目が目立ちますので、周りの方に指摘されて慌てて来院される方も多いですが、基本的には特にお薬は必要なく、1~2週間ほどすると自然吸収されて軽快します。ただし、再発することも多く、血液抗凝固剤などを服用されている方は出血量が多くなる傾向があります。

考えられる病気
  • 細菌性・ウイルス性などの感染性結膜炎
  • 結膜下出血
  • アレルギー性結膜炎
  • ドライアイ
  • 上強膜炎・強膜炎
  • 角膜炎
  • ぶどう膜炎
主な検査内容
  • 細隙灯顕微鏡検査
    (ぶどう膜炎の場合はさらに詳しい検査が必要です)

5. 目がかゆい

4. 目が赤い

例年春先23月頃から「目のかゆみ」を訴えて受診される方が増えてきます。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、涙目をともなう場合、典型的なスギ花粉症によるアレルギー性結膜炎の症状です。

かゆみで目をこすってしまい、まぶたの皮膚炎をおこす方もいらっしゃいます。こすってしまうと余計にかゆみや炎症が強くなり、結膜が浮腫をおこして水ぶくれのようになったりしますので、点眼薬や眼科用の軟膏、抗アレルギー剤の内服などを上手に使って症状を軽くすることが大切です。

夏から秋にも雑草の花粉などで季節性に眼がかゆくなる方もいらっしゃいます。毎年同じ時期にかゆみが出る方は、アレルギー症状の始まる2~3週間前からお薬を使用(初期療法)すると、使用しない場合に比較して症状が強い時期が短く、軽めにすむといわれています。毎年目のアレルギーでお困りの方はご相談ください。

考えられる病気
  • アレルギー性結膜炎
  • 春季カタル
  • アトピー性角結膜炎
  • 眼瞼縁炎
  • 眼瞼皮膚炎
  • 接触性皮膚炎
主な検査内容
  • 細隙灯顕微鏡検査

6. 物がだぶって見える

物がだぶって見えることを「複視」といいます。この場合、片眼だけだぶってみえるのか、両眼でみるとだぶって見えるのかが診断の際にとても重要になってきます。片目だけの場合は屈折異常、眼底疾患など眼球そのものに原因がありますが、両目でみてだぶる場合は左右の目の動きのバランスが崩れた状態で、原因として眼球を動かす神経や筋肉の障害、眼球よりも奥の部分(眼窩や脳)の病気が考えられます。

CTMRIなどの画像検査が必要になりますので、連携する病院へご紹介致します。特に動眼神経麻痺による複視の場合は、脳動脈瘤の可能性もあり緊急を要しますので早急な診察が必要です。

考えられる病気
  • 屈折異常(遠視・近視・乱視)
  • 斜視
  • 白内障
  • 動眼神経・外転神経・滑車神経麻痺
主な検査内容
  • 視力検査
  • 眼圧測定
  • 眼位・眼球運動検査
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 眼底検査

7.視野が欠ける

「下半分が見えない」、「真ん中だけが見えない」など、見える範囲(視野)が欠けたり狭くなったりすることを「視野異常」といいます。視野異常をきたす代表的な病気は緑内障ですが、緑内障の場合はゆっくりと視野異常が進行します。ふだん人は両眼でものをみているので、偶然に片目ずつみた時に気が付くことがあります。

急に発症した場合は、網膜剥離、網膜動脈閉塞症などの網膜疾患や神経の病気、脳梗塞などの頭の病気も考えられますので、視野異常を自覚した場合はなるべく早く診察を受け、原因をはっきりさせることが大切です。

考えられる病気
  • 緑内障
  • 網膜色素変性症
  • 網膜動静脈の閉塞、網膜出血、網膜剥離
  • 視神経炎
  • 虚血性視神経症
  • 脳梗塞による視野異常
主な検査内容
  • 視力検査
  • 眼圧測定
  • 細隙灯顕微鏡検査
  • 眼底検査(OCT検査)
  • 視野検査
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